「ピラティスってよく聞くけれど、実際に何をするエクササイズなの?」
そんな疑問を抱えている方、とても多いですよね。ピラティスという名前は知っていても、具体的にどんな動きをするのか、どのような内容なのかがイメージできないという声をよく耳にします。
実は私も最初にピラティスを始めるまでは、「なんだか難しそう」「ヨガとどう違うの?」と漠然とした不安を抱えていました。でも実際に体験してみると、ピラティスは思っていたよりもシンプルで、そして奥深いエクササイズだということが分かったんです。
この記事では、ピラティスで具体的に何をするのか、どのような基本動作があるのかを初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。まずは結論からお伝えしますね。
ピラティスで何をするの?結論はこの3つ
ピラティスは、胸式呼吸で交感神経を刺激しながら、身体の深部にあるインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行うエクササイズです。具体的には、以下の3つのことを行います:
- 正しい呼吸法(胸式呼吸)を身につけながら体を動かす
- 体幹(コア)を意識した基本ポーズと動作を練習する
- インナーマッスルを鍛えて姿勢や体のバランスを整える
これらの要素を組み合わせることで、姿勢を整え代謝をアップさせる効果を得ることができるのです。
なぜピラティスはこの3つを重視するのか?その理由を詳しく解説
1. 胸式呼吸がピラティスの基盤となる理由
ピラティスの胸式呼吸は肋骨を前後左右、上下に動かして肋骨の間にある肋間筋を伸び縮みさせて行う呼吸です。なぜ呼吸法がこれほど重要なのでしょうか?
ピラティスでは、呼吸と動作を連動させることが非常に重要です。動作に合わせて呼吸を意識することで、集中力が高まり、体の動きがスムーズになるからです。
胸式呼吸の基本的なやり方は以下の通りです:
- 両サイドに手を当てて膨らみを確認しながら鼻から息を吸い、吸うときは風船が膨らむようなイメージで前後左右に肋骨を広げる
- 口から息を吐きながら肋骨を広げた分だけ中心に集めます。触れている部分が徐々に真ん中へ戻っていくことを感じましょう
この呼吸法により、体幹に負荷がかかりやすく、エクササイズ中の筋肉の使い方がより効果的になります。
2. 体幹(コア)を重視する科学的根拠
ピラティスは体幹の筋肉、特にインナーマッスル(深層筋)を鍛えることに重点を置いているため、カラダの中心が安定するという特徴があります。
体幹とは具体的に以下の筋肉群のことを指します:
筋肉名 | 位置 | 役割 |
---|---|---|
横隔膜 | 胸とお腹の境目 | 呼吸をコントロール |
腹横筋 | お腹の深層 | 腰椎を安定させる |
多裂筋 | 背骨の両側 | 脊椎の安定性を保つ |
骨盤底筋群 | 骨盤の底部 | 内臓を支える |
これらの筋肉を鍛えることで正しい姿勢を保ち、内臓を正しい位置に戻して活性化するよう促すため、内臓本来の機能を引き出すことも期待できるのです。
3. インナーマッスルを鍛える意義
日常生活では意識して使うことがないインナーマッスルを整えるのが、ピラティスの醍醐味なのです。
インナーマッスルを鍛えることで得られる効果は以下の通りです:
- 姿勢改善: 背骨を正しい位置で支えられるようになる
- 腰痛予防: 腰椎の安定性が向上する
- 代謝向上: 筋肉量増加により基礎代謝がアップする
- 身体バランス向上: 左右のバランスが整う
ピラティスの基本動作と具体的なエクササイズ内容
ピラティスの基本姿勢
ピラティスを始める前に、まず基本となる姿勢を身につける必要があります。ピラティスの基本姿勢には、「ニュートラルポジション」と「インプリントポジション」の2つがあります。
ニュートラルポジション
骨盤のニュートラルポジション。エクササイズのスタートは、骨盤を正しいニュートラルポジションにセットします。腹筋を使っておへそと背中を引き寄せ、腹部をまな板のように平らにし、骨盤を床と平行に保ちます。
具体的な手順:
- 仰向けになり手のひらを下に向け、両足は肩幅に、軽く膝を曲げます
- 背中が反りすぎないように注意し、背骨と首が自然なアーチを描くようにします
インプリントポジション
骨盤をやや後倒するポジションを「インプリントポジション」と言います。腹筋を使っておへそと背中を引き寄せながら、腹部が斜めのラインになるよう腰をマットに近づけ骨盤を後倒します。
代表的なピラティスエクササイズ
1. テーブルトップポジション
これは多くのピラティスエクササイズの基本となる姿勢です。
やり方:
- 仰向けに寝て、膝を90度に曲げて持ち上げる
- 太ももが床と垂直になるようにキープ
- 腹筋を使って腰が浮かないよう注意
2. チェストリフト
チェストリフトは、ピラティスの基本的なエクササイズの一つで、腹筋を鍛えるのに効果的です。主に上半身の動きを意識しながら行うこの動作は、体幹の安定性を高め、姿勢改善にも役立ちます。
手順:
- 仰向け寝て、膝を立てる まず仰向けに寝て、膝を立てて足の裏を床につけた状態から始めます
- 息を吸いながら準備し、吐きながら頭と肩をゆっくり持ち上げる
- 腰は床から離さず、腹筋だけを使って上体を起こす
- 息を吸いながらゆっくりと元の位置に戻る
3. アーム&レッグストレッチ
アーム&レッグストレッチは対角線にある腕と脚を伸ばし、筋力向上やバランス感覚を鍛えるポーズです。
効果: 体幹の強化、バランス感覚の向上
やり方:
- テーブルトップの姿勢から、右腕と左腕をまっすぐに天井の方に伸ばします
- 次に、その状態を保ちながら両腕と脚をまっすぐに引き伸ばします
- 数秒キープしたら元の状態に戻し、繰り返します
ポイント: 骨盤が傾かないように注意して、体幹をしっかりと使ってください。両腕が、耳よりも下に下がらないように意識するとより効果的です
4. マーメイド
マーメイドは、体を側面に伸ばして脇腹を伸ばすポーズです。マーメイドは体側の柔軟性を向上させるとともに、体幹の安定性を高める効果があります。
効果: 柔軟性の向上、体幹の安定性、姿勢改善
やり方:
- 横座りの姿勢から片手を床に置き、反対の腕を頭の上に伸ばして体を側面に伸ばします
- 数秒キープしたあと、反対側も同様に行います
ポイント: 腕が遠くに引っ張られるイメージで行うと、より効果的です。脇腹付近に負荷がかかっていることを意識しながら行いましょう
マットピラティスとマシンピラティスの違い
ピラティスには大きく分けると「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類があります。
マットピラティス
マットの上でエクササイズを行うピラティスです。インストラクターの声かけに合わせてポーズをとったり、音楽などに合わせて動いたりしながらエクササイズを行います。
特徴:
- マットがあれば自宅でもエクササイズが可能です
- 自分の体重を負荷として使って行う、いわゆる自重トレーニングです
- 手軽に毎日続けられるメリットもあります
マシンピラティス
専用のピラティスマシンを使って行うピラティス。実は、アメリカでは「ピラティスといえばマシンピラティス」というくらいスタンダードな方法なんです!
使用するマシン:
- リフォーマー: ベッドのようなマシンで、マシンピラティスの基本です
- ラダーバレル: 梯子のようなパーツと曲線を持った樽のようなパーツを組み合わせたマシン
- チェア: 座るパーツとペダルがあるマシンで、座位と立位でのエクササイズに使用
メリット:
- マシンのサポートを受けられるため正しいフォームでエクササイズを行いやすいことと負荷を調整しやすいことです
- アスリートから高齢者まで、それぞれの体の状態に合わせたピラティス・エクササイズが可能です
ピラティスレッスンの具体的な流れと内容
典型的なピラティスレッスンの構成
一般的なピラティスレッスンは以下のような流れで進行します:
時間 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
5-10分 | ウォーミングアップ・呼吸練習 | 体を温め、胸式呼吸を意識 |
10-15分 | 基本ポーズの確認 | 正しい姿勢とアライメントの習得 |
20-30分 | メインエクササイズ | 体幹強化と全身のバランス調整 |
5-10分 | クールダウン・ストレッチ | 筋肉をほぐし、リラックス |
初心者向けレッスンの内容
初めての方は、初心者向けのグループレッスンから参加するのが始めやすいでしょう。まずは参加してみて、自分の身体の動き方やクセを知るところから始めるのも良いと思います。
初心者向けレッスンでは以下のような内容から始まります:
- 呼吸法の基礎: 胸式呼吸の正しいやり方を覚える
- 基本姿勢: ニュートラルポジションの習得
- 簡単なコアエクササイズ: 腹筋を意識した軽い動き
- ストレッチ要素: 関節の可動域を広げる動作
レッスンの種類と選び方
マンツーマンレッスンはインストラクターがそれぞれの方に合った内容を組み立て、指導してくれるのがメリット。自分に合ったエクササイズをしたい、鍛えたい部分が決まっているといった方におすすめです。
レッスンタイプ別の特徴:
レッスンタイプ | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
グループレッスン | 複数人で受講、費用が安い | 初心者、仲間と楽しみたい人 |
パーソナルレッスン | マンツーマン指導、個別対応 | 集中して学びたい人、特定の目標がある人 |
セミプライベート | 2-3人の少人数制 | 友人と一緒に、きめ細かい指導を受けたい人 |
初心者がピラティスを始める際の注意点と準備
始める前の準備
ピラティスではカラダをコントロールして動くことを大切にしています。そのため、ピラティスに最適なウエアを選ぶ際には、ヨガウエアをベースに「カラダにフィットしているものや、動きやすい素材のウエアを選ぶ」のがポイントです。
必要な準備物:
- ウェア: 体にフィットした動きやすい服装
- マット: 滑り止め付きのピラティス専用マットがおすすめ
- タオル: 汗拭き用の小さなタオル
- 水分: 適度な水分補給用の飲み物
初心者が守るべき3つの重要なポイント
初心者の場合は無理に難易度の高い動作に挑戦せず、基礎からしっかりと学ぶことが重要です。以下の点を特に意識してください:
- 無理をしない: 自身の体調や柔軟性に合わせて無理なく行いましょう
- 正しい指導を受ける: 初心者の場合、最初はインストラクターの指導を受けながら正しいフォームや呼吸法を学ぶことが大切です
- 継続性を重視: 激しい動作を必要としないため、マットピラティスは初心者向けのエクササイズと思われがちです。しかし実際は、初心者向けではなく経験者向けのピラティスと考えられています
よくある初心者の疑問と回答
Q1: 体が硬くてもピラティスはできますか?
A: はい、全く問題ありません。ピラティスは柔軟性を向上させることも目的の一つですので、体が硬い方にこそおすすめです。
Q2: どのくらいの頻度で行えば効果が出ますか?
A: 変化を感じる目安と考えられているのが10回のエクササイズです。週に1回のペースでエクササイズに取り組んだ場合、変化を感じるのに約3カ月かかります。
Q3: 自宅でもピラティスはできますか?
A: ピラティスは自宅でできるポーズがたくさんあり、初心者さんでも家で気軽に始められます。ただし、正しいフォームで行わないと効果が十分に感じられない場合があります。初心者の方は、自分で動作を確認するのが難しいため、ピラティススタジオでインストラクターに正しいフォームや呼吸法を教わるのが効果的です。
ピラティスの効果を最大化するための実践的アドバイス
効果的な取り組み方
ピラティス効果を最大限活かすためには、正確な姿勢(ポジション)で呼吸と共に流れるようにエクササイズを行うことがポイントとなります。
効果を高める5つのコツ:
- 呼吸を意識: 動作と呼吸を連動させることを常に意識
- 質重視: 回数よりも正確なフォームを重視
- 集中力: ピラティスは考えるエクササイズとも言われています
- 継続性: 短時間でも毎日続けることを目標にする
- 体の声を聞く: 無理をせず、その日の体調に合わせて調整
段階的な上達プロセス
ピラティスは段階的に上達していくエクササイズです。以下のようなステップで進んでいきます:
段階 | 期間の目安 | 習得内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
初級(入門) | 1-2ヶ月 | 呼吸法、基本姿勢 | 体の使い方を覚える |
初級 | 2-4ヶ月 | 基本エクササイズ | 動作と呼吸の連動 |
中級 | 4-8ヶ月 | 応用動作、流れのある動き | 体力・筋力の向上を実感 |
上級 | 8ヶ月以上 | 高度な動作、アレンジ | 全身のコントロール力向上 |
他のエクササイズとの組み合わせ
ピラティスは他のエクササイズと組み合わせることで、さらに効果を高めることができます:
- ウォーキング: ピラティスで改善した姿勢を意識して歩く
- 筋トレ: ピラティスで鍛えたコアを活かしてより効果的に
- ヨガ: 柔軟性と筋力のバランスを取る
- 水泳: 全身の筋肉を使うスポーツでピラティスの成果を実感
まとめ:ピラティスで何をするか?それは「体と心のコントロール術」を学ぶこと
ここまでピラティスの具体的な内容について詳しく解説してきましたが、改めてピラティスで何をするのかをまとめてみましょう。
ピラティスの創設者は当時、自分が考案したエクササイズをピラティスではなくコントロロジーと呼んでいました。姿勢・骨盤の位置・筋肉の動きなど様々なことを意識しながらエクササイズすることで、運動効果を十分に高めることが可能です。
ピラティスで行うことの本質は、「自分の体をコントロールする技術」を身につけることです。具体的には:
- 呼吸のコントロール: 胸式呼吸を通じて体幹を活性化
- 姿勢のコントロール: 正しいアライメントで体を支える力を養う
- 動作のコントロール: 無駄な力を使わず、効率的に体を動かす
- 意識のコントロール: 体の各部位に意識を向けて動く
これらのスキルは、ピラティスのレッスン中だけでなく、日常生活においても大きな価値を発揮します。デスクワークでの正しい座り方、階段の上り下り、物を持ち上げる動作など、すべてがより楽に、より安全に行えるようになるのです。
柔軟性の向上や体幹の強化、ストレス解消など、さまざまな効果を実感できるはずです。ピラティスに興味のある方は、ぜひこの機会に実践してみてください。
最初は「これで本当に効果があるの?」と思うかもしれません。でも続けていくうちに、きっと体の変化を感じられるはずです。私自身も、始めて数ヶ月で慢性的だった腰痛が改善し、姿勢が良くなったという実感がありました。
ピラティスは決して激しい運動ではありません。でも、その奥深さと効果の高さは、実際に体験してみないと分からない魅力があります。この記事を読んで「ちょっとやってみようかな」と思った方は、ぜひ一度体験レッスンに参加してみてください。きっと新しい発見があるはずですよ。
あなたのピラティスライフが素晴らしいものになることを心から願っています!
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