ピラティスで痩せるのか?結論から解説します
結論から申し上げると、ピラティスはダイエット効果が期待できるエクササイズです。ただし、劇的な体重減少よりも、体質改善による痩せやすい身体づくりに重点が置かれているということを理解することが重要です。
ピラティスの最大の特徴は、インナーマッスルを強化することで基礎代謝を高め、長期的に痩せやすい体質を作ることにあります。ピラティスでインナーマッスルを鍛えると、筋肉量が増え、基礎代謝(何もしない安静時に消費されるエネルギーのこと)が高まるため、痩せやすい体になっていきます。
一方で、消費カロリーの観点から見ると、ピラティスを1時間行った場合の消費カロリーは「100~200kcal」程度と、ランニングやエアロビクスと比較すると決して高くありません。そのため、「ピラティスだけで急激に痩せる」という期待は現実的ではないということも併せて理解しておく必要があります。
ピラティスで痩せる5つの科学的根拠
1. インナーマッスル強化による基礎代謝アップ
ピラティスでは、インナーマッスルやコアを鍛えられます。例えば腹筋の場合、シックスパック(6つに割れたお腹)を作るのは腹直筋と呼ばれる筋肉ですが、ピラティスでは腹直筋ではなく、コルセットのようにお腹まわりを一周している腹横筋を鍛えます。
このインナーマッスルの強化により、基礎代謝が向上し、日常生活での消費カロリーが自然と増加します。ピラティスでインナーマッスルを鍛えると、骨格が整い内臓の代謝活動がアップします。代謝が良くなれば、生活の中で消費するエネルギーも大きくなります。
2. 姿勢改善による見た目の変化
姿勢が悪いと身体を支えるお腹や背中の大きな筋肉が衰えるため基礎代謝が低下します。ピラティスのエクササイズでは、背骨の配列を意識しながら姿勢を保持する筋肉(体幹のインナーマッスル)を強化します。
正しい姿勢を維持できるようになることで、体重は変わらなくても見た目がスリムに見える効果があります。これは多くの方が実感しやすい変化の一つです。
3. 自律神経のバランス調整
ピラティスで自律神経が整えば、代謝が良くなり脂肪燃焼が促されて身体が痩せやすい状態になります。ピラティスで自律神経が整うのは、呼吸を意識して背骨を中心としたエクササイズを行うからです。
自律神経のバランスが整うことで、ストレスによる食べ過ぎや代謝低下を防ぐ効果も期待できます。
4. ストレス軽減効果
ピラティスは、ストレスの解消につながる、「マインドフルネス(今この瞬間に集中すること)」を高める効果があることが多くの研究で示されています。
強いストレスがかかり続けると、ホルモンのバランスや自律神経のバランスが乱れて、過食や代謝の低下などを招いてしまうためです。ピラティスには、このような状態に陥ることを予防する働きを期待できます。
5. 血流促進とむくみ解消
ピラティスで骨盤を正しい位置に戻すことでも血流が改善できます。骨盤周辺・股関節まわりには多くの血管が通っていて上半身と下半身をつないでいるため、この部分を改善すると全身の血流まで良くなるのです。
血流の改善により、むくみの解消や老廃物の排出が促進され、体のラインがすっきりと見えるようになります。
ピラティスのダイエット効果を最大化する実践方法
効果的な頻度と期間
ダイエット効果を実感するためには、適切な頻度での継続が重要です。以下の表に、レベル別の推奨頻度をまとめました。
| レベル | 頻度 | 期間 | 期待できる効果 | 
|---|---|---|---|
| 初心者 | 週1-2回 | 1-2ヶ月 | 姿勢改善、体の軽さを実感 | 
| 中級者 | 週2-3回 | 2-3ヶ月 | 見た目の変化、筋力アップ | 
| 上級者 | 週3-4回 | 3ヶ月以上 | 体質改善、理想的な体型維持 | 
ダイエット効果を実感したいなら、週3~4回を目安に実践するといいでしょう。慣れないうちは体の負担を考えて、週1~2回からスタートし、体が慣れてきたら、回数を増やしていくと効果的です。
ピラティス創始者の「30回の法則」
ピラティスを考案したジョセフ・ピラティス氏は「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わる。30回で身体のすべてが変わる」という言葉を残しています。
この法則に基づいた効果の目安は以下の通りです:
- 10回目(約2-3週間):意識の変化、姿勢への意識向上
 - 20回目(約1.5-2ヶ月):見た目の変化、体の引き締まりを実感
 - 30回目(約2-3ヶ月):痩せやすい体質への変化、疲れにくい体
 
マットピラティスとマシンピラティスの使い分け
効果的なダイエットのためには、両方の特徴を理解して使い分けることが重要です。
| 種類 | 特徴 | ダイエット効果 | おすすめの人 | 
|---|---|---|---|
| マットピラティス | 自重を利用、全身バランス良く | 基礎代謝向上、姿勢改善 | 初心者、自宅で継続したい人 | 
| マシンピラティス | 負荷調整可能、部位集中 | 筋力アップ、部分痩せ | 効率重視、本格的に取り組みたい人 | 
体重55kgの成人女性が1時間マシンピラティスをしたときの消費カロリーは、約300kcalといわれています。マシンピラティスの方がマットピラティスよりも消費カロリーが高い傾向にあります。
実際にピラティスで痩せた人の体験談と特徴
30代女性の体験談
横から5回目と25回目と比較して見てみると、ぽっこりお腹がたしかにスッキリしていることに気付きました。ピラティスに行った後は毎回腹筋と太ももの裏が筋肉痛になるので、もっとも早く効果が現れ、またわかりやすいのがお腹と太もも周りだと言えるのかもしれません。
4ヶ月継続した体験者の変化
体型や体重の変化だけでなく、心の面でも大きな変化がありました。ピラティスを続けることで、ストレスが軽減され、リラックスできる時間が増えました。また、毎回のセッション後には達成感があり、自分自身に対する自信も高まりました。
ピラティスで痩せた人の共通点
実際にピラティスでダイエットに成功した人たちには、以下の共通点があります:
- 継続性を重視:週2-3回のペースを3ヶ月以上継続
 - 食事管理の併用:適切な食事制限やバランスの良い食事
 - 有酸素運動との組み合わせ:ウォーキングやジョギングを併用
 - 生活習慣の改善:十分な睡眠と水分摂取
 - 明確な目標設定:体重やサイズなど具体的な目標を設定
 
ピラティスだけでは痩せない理由と対策
消費カロリーの限界
脂肪1kg落とすために7200kcal必要とされています。ピラティス1時間一生懸命やっても消費カロリーは「100~200kcal」程度ですから、1h200kcal消費するとしても、36hピラティスを行ってやっと1kg脂肪が落ちます。
この現実を踏まえ、ピラティス単体でのダイエットには限界があることを理解する必要があります。
効果的な組み合わせ方法
ダイエット効果をより高めるためには、ウォーキングやジョギングなどを組み合わせることが有効だといわれています。さらに食事管理も行うとより効果が得られやすくなります。
以下の組み合わせが特に効果的です:
- ピラティス + 有酸素運動:脂肪燃焼効果を高める
 - ピラティス + 食事管理:摂取カロリーをコントロール
 - ピラティス + 筋力トレーニング:筋肉量を増加させる
 
糖尿病患者におけるピラティスの効果
科学的研究結果
糖尿病患者では、食後血糖値、空腹時血糖値、HbA1c、中性脂肪、総コレステロール、LDLコレステロールの低下など、糖代謝・脂質代謝を有意に改善したという研究結果があります。
糖代謝、脂質代謝の改善効果は、介入後8週間の段階で認められたことから、継続的な実践により代謝改善効果が期待できることが科学的に証明されています。
推奨される実践頻度
糖尿病患者は、ピラティスを120-200分/週 以上、8週間行うことで、糖代謝、脂質代謝の改善が期待できるとされています。
ピラティスの消費カロリーと他の運動との比較
ダイエット効果を正しく理解するために、他の運動との消費カロリーを比較してみましょう。
| 運動の種類 | 1時間あたりの消費カロリー(体重55kg女性) | 特徴 | 
|---|---|---|
| ピラティス(マット) | 100-200kcal | インナーマッスル強化 | 
| ピラティス(マシン) | 約300kcal | 負荷調整可能 | 
| ウォーキング | 200-300kcal | 有酸素運動 | 
| ジョギング | 400-500kcal | 高強度有酸素 | 
| 筋力トレーニング | 200-300kcal | 筋肉量増加 | 
この比較からも分かるように、ピラティスは短期的な消費カロリーよりも、長期的な体質改善を目的とした運動であることが理解できます。
部分痩せ効果について
ピラティスには、さまざまなエクササイズがあります。気になる特定の部位にアプローチできるエクササイズを取り入れれば、部分痩せ効果も期待できるでしょう。
効果的な部位別アプローチ
- お腹周り:腹横筋を鍛えるエクササイズでウエスト引き締め
 - 下半身:ヒップアップと太もものサイズダウン
 - 背中:姿勢改善による美しいボディライン
 - 二の腕:肩甲骨周りの筋肉強化
 
お腹周りを鍛えればウエストやヒップのサイズダウン、下半身を鍛えれば太もものサイズダウンを実感できると思います。
効果を高めるための生活習慣
食事管理のポイント
ピラティスのダイエット効果を最大化するためには、以下の食事管理が重要です:
- 適切なカロリー制限:基礎代謝×1.2-1.5程度に調整
 - タンパク質の摂取:筋肉の回復と成長をサポート
 - 水分摂取:代謝促進とデトックス効果
 - 糖質のタイミング:運動前後に適切に摂取
 
睡眠と休息の重要性
バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠を確保することで、体がエクササイズに最適な状態に整います。また、ストレスが溜まると体が脂肪を溜め込みやすくなるため、ピラティスを通じてリラックスする時間を持つことも大切でしょう。
年代別ピラティスダイエット効果
20-30代の特徴
- 基礎代謝が高いため効果を実感しやすい
 - 筋力の回復が早い
 - 見た目の変化が現れやすい
 
40-50代の特徴
ピラティスは、50代女性にも人気を集めているエクササイズの一つです。ピラティスには更年期症状を緩和する効果があることがさまざまな研究結果からわかっており、ストレス解消効果やリラックス効果もあることから、自律神経や女性ホルモンのバランスを整える効果が期待できる。
- ホルモンバランスの調整効果
 - 更年期症状の緩和
 - 筋力低下の予防
 
60代以上の特徴
- 関節への負担が少ない安全な運動
 - 転倒予防効果
 - 認知機能の維持・向上
 
まとめ:ピラティスで理想の体型を目指すために
ピラティスは確実にダイエット効果が期待できるエクササイズですが、短期的な体重減少よりも、長期的な体質改善と美しいボディラインの獲得に優れていることを理解することが重要です。
最も効果的なアプローチは以下の通りです:
- 継続的な実践:週2-3回、最低3ヶ月以上の継続
 - 他の運動との組み合わせ:有酸素運動や筋力トレーニングとの併用
 - 食事管理の実施:適切なカロリーコントロールと栄養バランス
 - 生活習慣の改善:十分な睡眠とストレス管理
 - 現実的な目標設定:体重だけでなく体型やサイズに注目
 
本当にダイエットをしたいのであればただ単に脂肪を落とすのではなく、体質を改善しなければなりません。体質改善には長い期間が必要となりますが、それだけの効果はあります。
ピラティスは、健康的で持続可能なダイエット方法として、多くの方におすすめできるエクササイズです。無理な食事制限や激しい運動で一時的に痩せるよりも、ピラティスで根本的な体質改善を行い、リバウンドしない理想的な体型を手に入れることを目指しましょう。
まずは体験レッスンから始めて、自分に合ったピラティススタイルを見つけることから始めてみてください。継続することで、必ずあなたの理想とする体型に近づけるはずです。

			
			
			
			
			
			
			
			
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